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SPECIALIZATION

オートファジー✕運動機能障害

Movement disorders and Autophagy

オートファジーと運動機能障害

運動機能障害とは?

運動機能障害とは、体を動かすために必要な神経、筋肉、関節などの機能が損なわれることで、日常生活における動作や活動が制限される状態を指します。この障害は、先天的な要因や病気、外傷、加齢など、さまざまな原因によって引き起こされます。 主な特徴としては、筋力の低下や関節の動きの制限が挙げられます。これにより、物を持ち上げたり歩行したりといった基本的な動作が困難になることがあります。また、運動の協調性やバランスが失われ、動作の正確さが損なわれるケースもあります。さらに、感覚の異常や痛み、痺れが伴う場合や、姿勢や歩行の異常が見られることもあります。 運動機能障害の原因は多岐にわたります。加齢による骨格筋量や筋力低下(サルコペニア)、神経の障害、神経と筋肉の連結部の障害や骨粗鬆症もよく見られる原因の一つです。神経系の障害としては、脳卒中や脊髄損傷、パーキンソン病、多発性硬化症などが挙げられます。また、筋肉自体の障害として、筋ジストロフィーや筋炎、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が原因となることがあります。さらに、関節や骨の障害によるものとしては、関節炎や骨折、変形性関節症が関与する場合があります。また、交通事故やスポーツでの怪我が外傷性の要因となることもあります。 運動機能障害は、予防が大切です。また適切な診断と早期の治療、リハビリテーションによって、機能の回復や日常生活の改善が期待できます。

オートファジーがもたらす運動機能障害への効果

オートファジーは、損傷したタンパク質やミトコンドリアなどを除去することで、神経筋接合部の機能維持や筋力低下の抑制に寄与します。また、神経変性疾患におけるタンパク質凝集を減少させ、疾患進行を遅らせる可能性があります。さらに、筋肉の修復や再生を促進し、エネルギー代謝を改善することで運動機能を向上させます。慢性炎症を抑える効果もあり、運動機能障害の進行を防ぎます。中枢神経系では、神経細胞の保護を通じて、疾患モデルで運動機能の改善が期待されています。

今後の可能性

オートファジーは、運動機能障害の予防や進行抑制において重要な役割を果たします。特に、損傷した細胞成分の除去や神経筋機能の維持、炎症の抑制など、多面的な効果を通じて運動機能の改善が期待されます。今後、オートファジーを標的とした治療法の開発が進むことで、運動機能障害に対する新たな治療アプローチが提供される可能性があります。

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私たちについて

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高橋利匡/Toshimasa Takahashi
M.D., Ph.D
トロント大学医学部招聘教授
医療法人社団 たかはしクリニック理事
大阪医科大医学部卒業後、総合内科医として従事。その後、糖尿病、老年病、消化器病など専門的な分野において日本、アメリカ、カナダで医学博士として研究に従事。2024年11月よりトロント大学医学部招聘教授として勤務。

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